Image Courtesy of Why is the salaryman carrying a surfboard?

サラリーマンはなぜサーフボードを抱えるのか?』(Why is the salaryman carrying a surfboard?)は、コロナ禍でリモートワークが普及するなか、日本のサラリーマンのライフスタイルがいかに変容したかを入念なフィールドワークに基づき綴った1冊……ではなく、その名前とは裏腹に、日本のデザイン業界における白人至上主義の歴史と文脈について書かれたエッセイである。

著者でグラフィックデザイナーの真崎 嶺(いつも通り「Rayさん」と呼ぼう)は、日系アメリカ人として日本で暮らすなかで抱いた違和感、そして、2020年5月にジョージ・フロイドが白人警官に殺害されたことで再燃したBlack Lives Matterムーブメントをきっかけに、このエッセイを書き始めることになる。

Rayさんの考えは、日本のデザイン業界は海外の文化を、その文脈を深く理解することなく盗用することによって恩恵を受けてきたというものだ。そしてそれは、ある意味においてグローバルで構造的な白人至上主義者に加担することであり、マイノリティの文化を貶めることでもある。こうした現象が生まれた背景にはどんな理由があったのかを、数々の文献とケーススタディをもとに彼は綴っていく。

本書の魅力は、広範囲にわたるリサーチによって日本に「白人への憧れ」が根付くに至った歴史的なキーイベントがまとめられていることに加えて、常にRayさん自身のパーソナルな視点や体験が織り込まれていることだ。エッセイにはリサーチから見えてきた過去の出来事だけでなく、彼の個人的なエピソードから自身が日本で暮らすなかで見聞きしたもの、街中やオンライン上で見つけたおもしろいデザイン、幼少の頃の記憶や母親との会話までが散りばめられている。そして後半では、最近のクリエイティブ業界で起きたことに対する彼自身の考察や、本書で示した課題を解決していくために必要なアクションまでが提示されている。

こうしたパーソナルな視点をもって綴られているからこそ、「人種差別」という複雑で難しい、そして本書で指摘されている通り日本社会では積極的に語られないテーマを、身近なものに感じさせてくれる力がこの本にはある。「最もパーソナルなことが最もクリエイティブである」とマーティン・スコセッシ監督は言うけれど、本書はまさに、Rayさんの極めてパーソナルな想いから生まれているからこそ、読み手に響くものになっている。

3月中旬に翻訳の初稿を終えた頃だったか、2人で本の打ち合わせをしているときにRayさんがふとこぼした言葉は、このエッセイに対する彼の姿勢を端的に表しているように思えたのだった──「初めて自分で書きたいと思ったし、書かなければいけないと思った」。

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This story is a collaboration between Biz/Zine and Evertale Magazine. Photo by Tavis Beck on Unsplash

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Yuto Miyamoto

Freelance storyteller who is collecting wonderful true stories. We are looking for storytellers for Evertale (Japanese/English). https://yutomiyamoto.com

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